2015/11/09

オンサイトトライのオブザベーション技術

ロックアンドアイスのルートリーディングの記事です。特にオンサイトトライに焦点を当てています。日本(自分の周り)ではオブザベーションと呼んでいますが。
http://www.rockandice.com/rock-climbing-training/climbing-literacy

(以下、超訳)
ルートリーディング、多くのクライマーはやっていません。ルートリーディングは結果に大きく、直接的に結びつきます。地上で時間をかけてルートを読むことで、ルート上でのエネルギーを節約できます。ムーブを考えておくことで、流れるようにスムーズに登れますし、無駄な持ち替えや足の置き換え、無理な体勢でのクリップも無くすことができます。あるいは、ホールドやレストポイントの見落としも無くすことができます。ルートリーディングの中で一度登ることを想像しておくと、精神的にも楽になります。

地上でのルートリーディングは、技術です。多くのクライマーは意味がないと感じているようですが、単に技術を身につけていないだけです。もちろん、ムーブを読んだからといって覚えていられるとは限りませんが。
一般的には、何も考えずに自由に登り始めます。レッドポイントを得意とするクライマーはシークエンスを覚えることが得意ですが、オンサイト派は地上での時間を費やす必要があります。もうひとつ問題としては、地上で考えたとしても、他にも隠されたムーブがあるかもしれないということ、ホールドの形状やサイズは詳しくは分からないということです。

登る対象別のルートリーディング

ウォームアップのルートで10分間ルートリーディングをしても意味がありません。難しいルートでやりましょう。レベル別に、どの程度まで読むか設定します。

  • Level 0: No route reading (e.g.: first 2 warm-up routes)
  • Level 1: Identify all holds and plan quick hand sequence (e.g.: 3rd and 4th warm-up)
  • Level 2: Hand sequence, rest and clips; repeat two times (e.g.: maximum onsight)
  • Level 3: Hand sequence, rests and clips plus key foot sequences. Repeat three times (e.g.: maximum onsight for elite level climbers)
レベル0: (1、2本目のウォームアップ) しなくて良い

レベル1: (3、4本目のウォームアップ) ホールドを全部把握する。手の流れだけ確認する。

少なくとも、全てのホールドを把握し、手の動きを確認しましょう。1分程度ででることで、これをするかしないかで、終了点まで行けるのか、途中で落ちるかが決まることもあります。ルートの半分くらいしか見ない人が多いので、全部見るようにしましょう。

見落としそうな小さいホールド、離れているホールドに注意します。立つ位置を変えて壁を見ることでサイドプルが発見できたりします。下から見たり、離れてみたりしましょう。チョークや靴の跡を覚えておくのも有効です。

手のムーブを考えるときは、実際に自分が登っているのを想像しましょう。フットホールドも確認しますが、混乱するのでムーブは考えなくても良いです。チョークがついているものの、明らかに小さく悪いホールドがある場合、それは中継ホールドです。近くに良いホールドがあるはずですので探しましょう。

ムーブが分かりにくいときは、その先のホールドから逆算することができます。例えば、左手で終了点を取ると明らかに分かれば、その前のホールドは右手で撮ることになります。

レベル2: (限界オンサイト)レベル1に加えて、クリップホールド、レストポイントを確認。2回オブザベする。 

クリップ時のよくある失敗に、適切なクリップホールドよりも下のホールドからクリップしてしまう、という例があります。とはいえ、クリップホールドは大きさが決定要素です。大きく持ちやすいホールドを保持している状態であれば、下からでもクリップすることが重要です。ガバホールド、ステミングやニーバーが出来る箇所を探してレストポイントにします。

これらを交えてルートリーディングをしたあと、急がずにもう1度ルートリーディングします。自信がなければ更にもう1度やっても構いません。

自分の限界オンサイトトライのためには、こういうオブザベーションが必要です。

レベル3: (上級者の限界オンサイト) レベル2に加えて、足のムーブも考える。

上級者の場合、例えば核心でキーとなるフットホールドを見つけることが重要です。初級者は混乱してルートリーディングの意味がなくなってしまう恐れがあるので、ここまでする必要はありません。足のシークエンスを考えるときは、自分の体の大きさとホールド間距離を具体的に考慮する必要があります。

足のシークエンスは、針を刺すようにきっちり決めすぎないよう注意して、あくまでガイドラインとして使いましょう。足と手のムーブの順序は、決めてしまうことが困難であることがよくあります。被ったルートでは、足ホールドは右でも左でも使えることを注意しましょう。フラッギングで足替えを減らすこともできます。ルーフではトゥフック、ヒールフックを多用します。昔からのジレンマとして、足ホールドとして上を使うか下を使うか、ということがあります。下の足ホールドを使うと上を取るときの厳しさが減りますが、足が切れる可能性もあります。

全部のルートを3,4度オブザベーションすることで、しっかり記憶に焼き付けます。

■フィードバックする

自分のルートリーディングに対して、実際の登りがどうだったかを比較します。これには更なる訓練が必要ですが、将来的なルートリーディングのスキル向上に役立ちます。






2015/11/07

12歳がRodeo Free Europe 5.14aを登る動画

12歳のJonathan Hörst(ジョナサン・ホースト)がワイオミングのWild Iris でRodeo Free Europe 5.14aを登る動画です。ジョナサンは既に4つの8b+/5.14aを登っています。6月のツアーで5.14aを2つ登ったのですが(もう一つはUtah, American Fork CanyonのDead Souls)、お兄さんのCameronも同じ年齢のときにこの課題を登っているので自分もできるだろうと思っていたとのこと。

どちらも短いものの強傾斜で力のいるルートです。Rodeo Free Europeは2日間で8トライ、Dead Soulsは2日間で6トライをかけました。

彼のお父さんのEric  Hörstも著名なクライミングトレーナーですが、もちろん子どもたちにもトレーニングを施していて、ユース向けのトレーニング手法を編み出しているとのこと。

秋・冬はトレーニングのシーズンと位置づけていて週に4,5日トレーニングをして、1日あたり2,3時間をかけるようです。