2018/06/28

ブラックダイヤモンド、新キャメロットC4が2019年発売

追記: 発売後のスペックを下に書きました。

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ブラックダイヤモンドから新しいキャメロットC4が発売されるようです。ドイツの展示会でBDのKolin Powick氏が話しています。

デカキャメのことを『big guys』と言っていて面白いですね。

デモで見せているのはサイズ感的に5番サイズですが・・・。新モデルの特徴は、
  • トリガーキーパー(4,5,6番)が追加
  • スリングが短くなる
  • スリング縫い目が短くなる
  • タグがなくなる 
  • サイズによってステムの硬さを変えている
  • 10%軽くなる
ということです。

トリガーキーパー(閉じっぱなしにできる)が加わるそうです。デモ動画の「トリガーをキープした状態」キャプチャはこちら。(横向きにしてくれなかった)


10%軽くなるとは言っても、ウルトラライトと比べてどうなのか?が気になります。




追記

レンジは従来のC4と変更ありません。重量は10%弱程度ですが、軽くなっています。ウルトラライトの方が軽いです。やはり目玉は4,5,6番についているトリガーキーパーでしょうか。


サイズレンジ重量
(旧)
重量(2019)重量差重量
(UL)
#0.313.8 - 23.4mm7569.85.2-
#0.415.5 - 26.7mm8377.55.561
#0.519.6 - 33.5mm9993674
#0.7523.9 - 41.2mm119107.511.589
#130.2 - 52.1mm136123.912.1101
#237.2 - 64.9mm155140.314.7126
#350.7 - 87.9mm201181.119.9167
#466.0 - 114.7mm289257.831.2225
#585.4 - 148.5mm380348.131.9-
#6114.1 - 195.0mm557529.927.1-

2018/06/27

エイドクライミングのリードの解説動画(Super Topo)


ビッグウォールでのエイドクライミングのコツを解説する動画です。HOW TO BIG WALL CLIMBの本の内容を動画で解説しています。


  • アブミを常に同じ場所にかけること(例えば、ハーネスの右に)
  • 邪魔にならないように、カラビナにクリップするのは、最後にする。上にプロテクションを取ってアブミをかけて乗り移って、下のアブミを外してから、下のアブミがかかっていたプロテクションにクリップする。

この位置でクリップしています。膝くらいですね。




https://rockandice.com/videos/climbing/basic-aid-climbing-leading-technique-how-to-big-wall-climb/

2018/06/25

ビレイループを何かで代用してもよいか?

Rock and Iceの Q&Aコーナーです。

http://rockandice.com/demo/gear-guy/can-i-make-a-belay-loop-2/


質問:

ビレイループが擦り切れてきたとき、PASやスリングをガースヒッチにして代用しても良いでしょうか?


回答:

緊急時だけ可ですが、基本的には絶対だめです。ハーネスを買い換えましょう。


なお、原文のタイトル

Can I MacGyver a Belay Loop Replacement?

の『MacGyver』は「手元にあるもので何でも直せる人」という意味で、テレビ番組のタイトル(キャラ名)から由来します。

2018/06/22

ナーレ・フッカタイバルがDreamtime(V15)を完登する動画

フィンランドのNalle Hukkataival(ナーレフッカタイバル)がDreamtimeを完登する動画です。音楽がちょっと音量大きいですが、なかなかかっこよいです。第13登で、フィンランド人では初の完登でした。これが2007年ですから、このあと10年近く経ってV17を登ることになります。





場所はスイスのクレシャノ。




2018/06/20

クライミングシューズを履くときに靴下を履くかどうか?

靴下を履くことについてのRock and Ice の記事です。

Is It Okay to Wear Socks with Rock Climbing Shoes?

質問:


クライミングシューズを履くときに靴下を履いているのは自分だけのような気がします。何か理由があるのでしょうか?

回答:


クライミングシューズ着用時に靴下を履かない、というのはファッションで、むしろ最近になってからです。1973年に筆者がクライミングを始めたときは、誰もが靴下を履いていました。1983年頃のヨセミテではFiresがヒットしましたが、それでもみんな靴下を履いていました。ジョン・バーカーのようなスタイルに憧れていたからです。あるいは、ロングルートを登って降りるときのスニーカーと靴下を持っていくのが嫌だったからというのもあります。

その後、不思議なことに素足でクライミングシューズを履く人たちが現れ、靴下はダサいとみなされはじめました。この考えは今でも残っています。質問者さんは実用性を重んじるタイプなのでしょう。実際に、靴下を履くとシューズのフィット感や縫い目などを調整してくれます。わたしの場合、エルキャピタンのような長いルート、やクラックを登るのであれば、楽になるよう少し大きめの靴で靴下を履いていきます。

感触に関する疑問も当然あるでしょう。パフォーマンスには、靴の内側に皮膚が完全にフィットすることが重要です。靴下なしであればホールドをよりよく『感じる』ことができる、靴下は感覚を鈍らせると言われています。しかし、岩をラバー、ミッドソールを通して感じるということは、『感触(sense)』と『感覚(feel)』を混同しています。岩に靴がどう接触しているかと、どうエッジに乗っているかという感触を養うことができますが、靴のソールを通してホールドの表面や形を実際に感じられるようになるというのは拡大解釈です。これはとくに広いラスト(木型)の靴のときは、木靴のような感覚です(わたしはこれが好きなんですが)。例外としては、ファイブテンのGummies (Team VXi)があります。このコンドームのような形のシューズでは、靴下を履けないでしょう。

結論として、ほとんどの場合、靴下を履かない合理的な理由はありません。ファッションです。

2018/06/18

パッシブプロテクションでのアンカー構築についてQ&A

Rock&Iceの質問の超訳。

質問:

アンカーをナッツのようなパッシブプロテクションで取るときは、少なくとも3方向にセットするように教わります。これは本当なんでしょうか。少なくてはだめ、あるいはもっとあったほうがよいですか?


回答:

荷重方向が変わっても効いているかどうかが重要です。ナッツが上手くセットできているときは、方向が少し変わっても大丈夫です。大きく方向を変えても抜けなければ最高です。例えば、水平クラックに入れたナッツは下向きにはよく効きます。

3つナッツをセットしても、全て違う方向に荷重させるようにしてはいけません。荷重方向に合わせて分散させるようなセットが望ましいです。1つの方向に3つをセットしているのも、望ましくありません。

ナッツでセットできるようになることはトラッドクライミングで重要でカムよりも重量を減らすこともできるメリットがあります。

とはいえ、3つのナッツよりも、カムが1つアンカーにセットされているときの方が安心できるものです。なぜなら、カムは少々の荷重移動によりよく対応できますし、かんたんに素早くセットできるからです。

2018/06/15

ATCガイドでのセカンドを降ろすときの事故

http://rockandice.com/climbing-accidents/climber-dropped-when-lowered-in-autoblock-mode/

ATCガイドのオートブロックモードで、セカンドが登りすぎたので降ろしていたところ、ロープが流れすぎる事故がありました。


  • ルートはNaked Edge (5.11b)の最終ピッチ
  • セカンドがテンションを要求(カムの回収のため)
  • その後、セカンドが少し降ろすよう要求
  • オートブロックを解除して降ろし始めたところ、ブレーキが効かなくなった
  • リーダーは手にロープバーンを受け止められず、セカンドは下まで落ちた
  • セカンドは踵を怪我、ヘルメット破損
  • 懸垂で降りて車で病院に行った


考察

Rock and Iceでは1,2年に1度はこのような事故を確認しています。"リリースホール"と呼ばれているATCの穴を使って荷重を解放していますが、バックアップをしていなかった。ブラックダイヤモンドの説明ではムンターヒッチでバックアップすることになっています。






ブラックダイヤモンド社のKolin Powickは、“Lowering with any type of device similar to the ATC-Guide can be dicey. "(ATCガイドタイプのどんなデバイスでもロワーリングでは危険をはらんでいる)と、操作不能になる可能性を指摘しています。

どうやったら防げるか

ATCガイドのオートブロックモードで、ロワーリングをしない。どうしても必要なときは、ムンターヒッチなどでバックアップを取る。ブラックダイヤモンドのATC-Guideの使い方ビデオを参考にすること。

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ロープバーンが無ければ流れる前に止められたのでは・・・?とも思ってしまいますが、流れ始めると止められないのでしょうね。

2018/06/13

前傾ワイドクラック Bulletproof 5.13 の動画

マサチューセッツ州アーヴィング付近にあるFarley Ledges(ファーレイ・レッジ)にあるワイドクラックの完登動画です。足先行で登っていくのが超かっこいいです。長いルートなので動画が編集してありますが、見応えあります。


 出だしから悪そうです。キャメ5-6番といったところでしょうか。



足先行でノーハンドレストできるようです。


 上部にもチムニーがあるようです。が、そこまで難しくはないようで、ヘルメットは外しています。









場所はマサチューセッツ州。アメリカ東海岸です。

2018/06/11

トーマス・ダウザーがフランケンユーラで9a(5.14d)を2本登る動画

ドイツのトマスダウザー(Thomas Dauser)がフランケンユーラで9a(5.14d)のルートを登っています。

どちらも短めで、少し被った厳しいカチ課題です。

Elder Statesman 9a



この喜びよう。自身初の9aだそうです。途中で動画が見切れてしまいますが・・・。


The Essential 9a





こちらはきちんと撮られています。


2018/06/07

スペイン サルディーニャ島での開拓

Thomas Dauserによる開拓風景です。Ulassai, Sardinia

8a LemonSqueezeというルートが拓かれています。



2018/06/06

ヨセミテ エルキャピタン Freeblastで2人が死亡する事故

2018/06/02 にYosemite、El Cap MedowでNoseの「Freeblast (フリーブラスト)」 5.11b 10p」のスピード登攀に挑戦中に事故がありました。
1000フィート(約300m)落ちて死亡したようです。事故の詳しい原因は調査中とのこと。

亡くなった2人はそれぞれ、エベレストやマルチピッチのスピードレコードを持っているような人物で、驚きと悲しみが広がっています。 supertopoMountainProjectでも訃報が伝えられています。

未確認の情報ですが、上からホールバックが落ちてきたという話もあるそうです。親しい人へのインタビューでは、5.7の部分で落ちてきたという話もあります。

クライミングは易しい部分ですが、浮石や古いピンがあるということです。


 http://rockandice.com/climbing-news/deaths-on-el-cap-jason-wells-45-and-tim-klein-42/

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その後も、事故のはっきりした原因はわかっていません。

下から登っていた人の証言によると、Freeblastの10ピッチ目で、マンモステラスに向かう間に一人が落ち、60m落ちた後、もう1人も落ち、ロープが岩にひっかかったあとに切れてしまい、2人とも1000フィート(約300メートル)落ちたということです。2人の間にプロテクションをセットしていたかは分からない、とのことです。

Around 8:15 a.m., as Wells climbed toward Mammoth Terraces, Cannon heard a thud. Cannon saw Wells fall roughly 60 meters, stop briefly, then fall farther and hit the wall. He heard Klein scream. Then Klein fell. Their rope momentarily caught behind a block and the fall was arrested. Then their cord severed and both Wells and Klein fell approximately 1,000 feet to the ground. Cannon says it was impossible to determine if they had gear between them due to the rope being severed a few feet above Klein’s knot.

https://www.climbing.com/news/eye-witnesses-recount-tragic-accident-on-el-caps-freeblast/

ジムで下手くそなエイト環ビレイをしている人を見たらどうするか

 ロックアンドアイスのQ&Aより超訳

Q: ジムで8環でビレイしている人がいました。クライマーから文句を言われるようなビレイっぷりでしたが、古いやり方自体としては問題はないようした。(私は)どうしたらよかったでしょうか?

A: ジムがその方法を許容していて、ビレイテストに受かったことが驚きです。ジムのスタッフに言うのが現実的でしょう。

http://rockandice.com/climbing-gear-tips/speak-up/